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竹田市久住町の雄大な自然のなかで
肉用繁殖牛経営を営む地域のアイドル

大分県と熊本県の県境に位置する竹田市久住町。うつくしい里山の風景が残る、山間の小さな集落・白丹(しらに)地域。山の上にぽっかりと浮かぶひだまりのような場所で、彼女と待ち合わせをしました。
「なんでも聞いてください!」と、太陽のように明るい笑顔で迎えてくれたのは、ここで畜産業を営む油布あすみさんです。

油布さんの写真
▲話をするだけで楽しくなる。
周囲を笑顔にできる才能の持ち主なのかも

自然豊かな久住町に生まれ育ったあすみさんは、看護学校を経て大分県就農準備研修畜産コースで学び、2022年に独立就農しました。新規就農といえば、30代以降が大半を占めるなか、20代のあすみさんは研修機関の中でもひときわ存在感を放つ存在でした。
今も市場へ行けば、ひまわりのような大きな笑顔で周囲を明るく照らします。

当初は、広い牛舎に8頭だった母牛も今では26頭に。さらに2025年の春には新たに4頭を迎え入れ、30頭まで増やす予定だとか。
朝晩のミルクやり、餌やり、牛舎の掃除と、慌ただしい毎日を過ごしています。2024年10月には、自身で育てた牛の初競りが行われたばかり。
「ようやく、ですね」とあすみさんは安堵の表情をみせます。

油布さんの写真
▲大分県豊肥振興局の普及指導員とも関係性が良く、
風通しが良く、何でも言い合える

肉用繁殖牛経営を営む父の志賀邦浩(しがくにひろ)さんや、県や地域のサポートを得ながら、繁殖和牛農家として腕を磨く日々。近年、和牛の一頭あたりの取引価格はおよそ50万円ほどと落ち着いていますが、5年ほど前は1頭あたり平均単価80万円〜100万円ほどで取引されていたこともあり、“黒いダイヤ”と称されていたこともあるとか。

また、一般的に理想とされる牛は、毛並みが良く皮膚が柔らかで、横から見ても後ろから見ても四角いフォルムを有するもの。エサを工夫したり、ストレスの少ない環境を維持したり、時には邦浩さんのアドバイスも得ながら、あすみさんなりに試行錯誤を重ねています。
さらに「たくさん食べてえらいね」「今日はあったかいね」など、とにかくよく話しかけるのがあすみさんの流儀。一方であまり懐きすぎると危険なことも。

油布さんの写真
▲一頭ずつ話しかけながら作業を行っていく

「人と牛はパワーが違うので向こうはじゃれているつもりでも怪我をする恐れがあります。大切なのは、適度な距離感を保ちながら、愛情を持って牛たちの心と体を元気に育んでいく、そのバランスです。私の手元から離れても人に大事にしてもらえる子に育てたいですね」。

実は、10代の頃は“人の役に立ちたい”と看護師の道を目指していたそう。しかし、いざ命の現場に立ってみると、それは、常に“死”と隣り合わせ。幼い頃から身の回りの生きものの命を育む父の背中を見てきたあすみさんのなかに、“命を育む側でありたい”という思いが芽生えます。
「目指していた看護師は、私にとって理想の仕事。その思いに変わりはないのですが、人の死を受け入れ続けなければならない現場が私にはしんどかったんです」と率直な気持ちを口にするあすみさん。
そんな時、看護学校の友達に実家が畜産業を営んでいることを話すと、決まって珍しがられたと言います。

「地元を離れて初めて自分の生まれ育った故郷や畜産の仕事は、特別な場所だったんだと気づきました。子供の頃からお父さんの手伝いをするのは好きだったことを思い出し、もしかして畜産の仕事も楽しめるかもしれんよ!って思えました」と瞳を輝かせます。

油布さんの写真
▲邦浩さんは、父親であり、頼りになる先輩

「お父さんには怒られることもあるけど(笑)、県の方も“こんな勉強会あるよ”って教えてくれたり、地域の方が“ここの牛は、絶対いいから”って教えてくれたり、可愛がってもらっています。しっかり経験を積んで、“こんな牛を育て上げたいんや!”という自分なりの美学を早く持ちたいです」と語るあすみさん。

油布さんの写真
▲業務の傍ら、エサや飼料、血統の勉強も

大自然の中で牛たちを愛情持って育むだけでなく、米作りや牛たちのエサとなる飼料を育てる畑仕事も目下勉強中です。畜産という生業を通じて、そうした営みを継承することそのものが、地域の担い手として期待されています。

夢は、畜産の6次化。
「自分が大事に育てた牛を提供する店舗を構えて、地域に雇用を生み出したい」を「久住で育った豊後牛を楽しめるお店を構え、地域を盛り上げたい」と語るあすみさんは、今日も久住町の恵まれた自然の中でのびのびと働き、地域のために汗を流しています。
「もちろん大変なこともたくさんあるけれど、自分の理想の未来を思い描きながらこれからも頑張っていきます」。
生まれ育った故郷で、生き方として畜産の仕事を選んだあすみさんのまっすぐな瞳は、あふれんばかりの希望に満ちていました。


大分県は経営計画の策定から営農開始後のフォローアップまで充実した体制で農業参入を支援します。大分県内の農林水産業の会社に就職したい人も大歓迎です。

詳しくは
農林水産業・就業総合サイト「おおいたで働こう」
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のイベント情報をご覧ください。
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